- 酵素って何?
- 酵素ってどんな働きがあるの?
- 酵素がないとどうなるの?
ダイエットの本を読んでいると、酵素という言葉が出てくることがあります。
「酵素を摂ると痩せることができる」と書いてありますがどうしてなんでしょうか?
実は、酵素はダイエットに欠かせない重要な「ある役割」を果たしているんです。
今回は、やせるために重要な酵素について、わかりやすく丁寧に解説していきます。
酵素とは?
酵素は、動物や植物が生きていくうえで欠かせない栄養素です。
人のからだに必要といわれている代表的な栄養素は現在8つあります。
人のからだに必要な8大栄養素
- 炭水化物(糖質)
- 脂質
- たんぱく質
- ビタミン
- ミネラル
- 食物繊維
- ファイトケミカル
- 水
元々は、炭水化物、タンパク質、脂質の3大栄養素がからだにとって必要な栄養だといわれていました。
ダイエットをする場合、この3つの栄養のバランスに気をつけるものが多いのもそのためです。
しかし、この3つだけ摂ってもからだの中でうまくエネルギーにならないことがわかりました。
そして、現在は8つの栄養素が重要だといわれています。
これらの栄養素に続く第9の栄養素といわれているのが、「酵素」です。
酵素はからだに必要不可欠な栄養素
酵素が重要な理由はその働きにあります。
実は人のからだにはもともと酵素が存在しています。
そして食べたものをエネルギーに変えたり、老廃物を体外に排出するなどの働きや、呼吸をしたり、手足を動かすといった動作には酵素が関係しているんです。
つまり人のからだになくてはならない栄養素なんですね。
ほとんど生きるために必要なすべての活動は、酵素の働きがあって行われているんです。
酵素は食べ物の消化、吸収をしたり、運ばれてきた栄養をエネルギーに変える時に必要になります。
人のからだを家に例えると、8つの栄養素は材料で、酵素はそれを組み立てる人だと考えるとわかりやすいです。
どれだけ材料があっても、組み立てる人がいないと家を建てることができませんよね。
同じように酵素がないとからだの働きを維持することができないんです。
酵素は年齢ともに減っていく
酵素は重要な栄養素なので体内でも生産されます。
しかし、1日に生産できる量には限りがあります。
そして、年齢を重ねていくと生産量はどんどん減っていきます。
これは、スマホのバッテリーのようなものだと考えるとわかりやすいです。
買ったばかりの新品のスマホは、あまり充電しなくても長く使うことができます。
しかし使っていくうちにバッテリーの減りがどんどん早くなって、1日に何回も充電しないといけなくなりますよね。
バッテリーと同じように、酵素は年齢とともに体内での生産量がどんどん減っていきます。
そのため食事から積極的に摂ってあげる必要があります。
酵素には3つの種類がある
人のからだに関わる酵素は大きく分けると、3つの種類があります。
まずは体内で作られる「潜在酵素」と、食事によって体内に取り込まれる「食物酵素」に区別されます。
そして潜在酵素は、どんな活動で使われるかによって「消化酵素」と「代謝酵素」に振り分けられます。
酵素の3つの種類
- 消化酵素 ⇒ 体内で作られる酵素
- 代謝酵素 ⇒ 体内で作られる酵素
- 食物酵素 ⇒ 食物に含まれる酵素
消化酵素
消化酵素は体内で作られる潜在酵素のひとつです。
食べ物の消化や吸収をするために必要になります。
食べ物の栄養をエネルギー源として使うために、腸壁で吸収できる大きさまで小さくする働きがあります。
栄養を細かくするハサミのようなものだとイメージしてください。
代謝酵素
体内で作られるもうひとつの潜在酵素です。
代謝酵素は人が生きていくために重要な役割を果たしています。
まず腸壁で吸収された栄養をエネルギー源に変えます。
そして免疫力や自然治癒力を維持したり、細胞を修復する働き、神経やホルモンバランスの調整を行います。
食物酵素
生の野菜、フルーツ、魚や肉など、あらゆる食物に含まれている酵素です。
そのため食事を食べることで体内に取り込むことができます。
食物酵素は、体内で自己消化し、体内で生産される消化酵素をサポートする働きがあります。
酵素を摂ると代謝が上がる
酵素を摂ると、代謝を上げることができます。
どうして酵素を摂ると代謝が上がるのか説明しますね。
先にも話した通り、からだが作る1日の酵素の生産量は決まっています。
人はその一定量の酵素を使いながら、生きています。
そしてからだで作られる酵素は、「消化酵素」と「代謝酵素」に分かれて使われます。
しかし、消化にエネルギーを多く使う食べ物や、酵素が入っていない食べ物ばかりを食べていると、一定量しかない酵素は消化のためばかりに使われてしまい、代謝に使われる酵素が少なくなってしまいます。
代謝に使われる酵素が少ないと、あらゆる代謝活動が低下してしまいます。
代謝の働き
- 細胞の入れ替え
- 細胞の再生
- からだの解毒
- 老廃物の排泄
- エネルギー運動
- 免疫
この状態になると代謝が下がり、さまざまな病気の原因になります。
そしてからだの解毒、排泄がうまくできなくなるので、からだに脂肪がどんどん蓄えられていきます。
消化酵素をむだ使いせずに、代謝酵素をしっかりと機能させる環境を作ることが、やせるためにはとても重要です。
酵素が含まれた食事を食べると、酵素の無駄使いを防ぐことができるので、代謝酵素がしっかりと働くことができるようになります。
酵素を摂る時のポイント
食物酵素は生の食材に含まれている栄養素です。
酵素は生きた栄養素ですから、環境によって、活性化したり逆に死滅してしまうことがあります。
食事から酵素を摂る時のポイントを紹介しますね。
ジュースやすりおろして食べるのがおすすめ
酵素はたんぱく質と脂肪でできた細胞膜に包まれています。
すりおろし器などですりおろしたり、ミキサーで攪拌すると細胞膜が破け活性化するので、吸収しやすくなります。
生でそのまま食べるより、すりおろしたり、ジュースにして食べたほうが効率よく酵素を摂ることができるんです。
秋になると、さんまと一緒に大根おろしがついていきますよね。
大根おろしには酵素が含まれているので酵素の無駄使いを減らし、脂の多いさんまの消化を助けてくれる働きがあります。
自分で生の野菜や果物を使ってフレッシュジュース作り、飲むのもおすすめです。
酵素は熱に弱い
酵素はたんぱく質でできているので、熱に弱いという特徴を持っています。
酵素の種類にもよりますが、もっとも活性化する温度は、40~48度です。
53度以上に加熱されると、ほとんどの酵素は活性力を失ってしまいます。
そのため、酵素を摂る時は、加熱調理は基本的にNGです。
50度以下で2分間温める程度であれば酵素は失われませんが、それ以上加熱すると酵素は摂れなくなってしまいます。
そのためフレッシュジュースを作って酵素を摂る時は、ミキサーよりもジューサーを使うようにしましょう。
ミキサーだと摩擦熱で一部分が高温になるので、酵素が死んでいまいます。
新鮮なうちに食べる
生の野菜やフルーツの場合、カットしたり、調理してから時間が経つと、酵素は酸化して死滅してしまいます。
そのため市販のカットフルーツや、カット野菜はほとんど酵素が残っていないと考えてください。
生の野菜やフルーツから酵素を摂る時は、新鮮なうちに食べるようにしましょう。
野菜やフルーツでフレッシュジュースを作ったときも、すぐに飲むようにしましょう。
時間が経つと酸化して変色します。
酵素も失われてしまいますし、味も悪くなります。
また冷凍した場合も、酵素は激減してしまいますから、新鮮な食べ物を食べるように心がけましょう。
酵素はからだに欠かせない大事な栄養素
酵素は人の代謝に大きく関係しているとても大事な栄養素です。
1日の生産量が決まっているので、消化酵素を多く使う食事ばかりを食べていると、代謝酵素が働かなくなり、代謝が低下してしまいます。
代謝が落ちると、太りやすいからだになるばかりでなく、慢性的な体調不良や、見た目の老化、便秘などを引き起こします。
最近体調が悪いと思ったら、それは酵素不足が原因かも。
生の野菜やフルーツを積極的に食べて酵素不足を解消するように心がけましょう。